SHEA Spring 2023 学会参加報告

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東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座
総合感染症学分野
金森  肇

 2023年4月11日~4月14日に米国医療疫学学会[Society for Healthcare Epidemiology of America (SHEA)] Springが米国シアトルで開催され、今回、国際委員会委員としてSHEAに参加いたしました。
 Prof. Christopher Loweの司会進行のもと、セッション(Priorities and challenges in Infection Prevention around the World)が行われ、筆者は日本の感染対策に関する発表をさせていただきました(演題名:Successes and current challenges in infection prevention and control in Japan)。このセッションでは、カリブ諸島(バルバドス)のDr. Corey Forde、インドのDr. Ananthanrayanan Rajalakshmiの発表もあり、リソースの違いがあるものの、各国の事情に応じた感染管理の形があると感じました。参加者からそれぞれの国の状況に応じた感染対策の現状と課題、成功体験を共有するができました(写真)。このような貴重な機会を与えていただき、感謝申し上げます。
 私自身は約3年ぶりに対面で国際学会に参加いたしましたが、SHEAのIC/ASの各プログラムの充実ぶりに目を見張りました。Mentorship Programでは、研究の専門やプラクティスの関心事項などについて事前に伺っておき、異なる所属施設のメンターとメンティーをマッチングする仕組みです。Epi Project Competitionでは若手研究者がIC/ASに関する研究について発表し、公開討論形式で審査員と白熱した議論の後、優秀な研究課題に研究費を助成するものです。日本の学会でもこのような企画は大変興味深いと思います。また、留学先のボスであるProf. William RutalaやProf. Curtis Donskeyのレクチャーにも参加することができ、環境制御の新たな潮流を垣間見ることもできました。プログラム以外にも元同僚や友人、日米の関係者と話す機会がたくさんありまして、やはり対面での国際学会参加は良かったです。同じく国際委員会委員の岡本耕先生がSHEA International Ambassadorsに選ばれました(Congratulations!)。さらに、第38回日本環境感染学会総会・学術集会の国際委員会SHEA企画で招請するProf. Daniel Morganと面談し、企画の趣旨・内容の打ち合わせをすることができ、夏の横浜でお会いできるのを今から楽しみにしております。
 SHEA Springでは、通常のFull Conference Sessions、Oral/Poster sessionsに加えて、医療疫学と抗菌薬適正使用に重点を置いたトレーニング・コースがありますので、著名な講師陣から医療疫学と感染制御学に関するトピックについて講義形式で学ぶことができます。米国の医療疫学と抗菌薬適正使用支援活動を学びたい方には、SHEA Springはもってこいの学会だと思います。大規模なIDWeekと異なり、比較的規模の小さい学会です。期間中にWelcome Reception、Foundation Dinner、Women of SHEAなどのネットワーキング・イベントがありますので、日米の関係者と交流しやすいのも特徴です。このように、とても魅力的な学会ですので、会員の皆様におかれましては、是非SHEA Springにご参加いただければ幸いです。日本環境感染学会とSHEAは国際交流協定を締結しております。

【写真説明】
SHEA Spring 2023のセッション会場で座長、演者とともに。

 

Source: 日本環境感染学会
SHEA Spring 2023 学会参加報告

-日本環境感染学会

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