日本環境感染学会

理事長挨拶

投稿日:

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一般社団法人日本環境感染学会 理事長 吉田 正樹

「感染制御における研究・教育・実践の普及を目指して」

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一般社団法人日本環境感染学会 理事長 賀来 満夫

感染制御におけるパラダイムシフトを目指して
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 このたび、賀来満夫前理事長の後任として本学会理事長を拝命いたしました東京慈恵会医科大学の吉田正樹でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 日本環境感染学会は、MRSAの分離率が増加した年代の1986年に設立されました。第1回の総会・学術集会の参加者数が230名程度であったのが、この30年あまりで参加者数は7,000名を越え、会員数も9,500名を超えました。この間、2010年には多剤耐性アシネトバクター感染症のアウトブレイクが起こり、多剤耐性菌感染制御委員会を発足し、「多剤耐性グラム陰性菌感染制御のためのポジションペーパー」を公開するなど、病院感染を中心に感染制御に努めて参りました。そのような学会の発展とともに、2014年1月からは一般社団法人に移行し、学会の英語名を“Japanese Society for Infection Prevention and Control”に改め、感染制御領域では世界最大規模の学会に成長しました。2017年に発刊された第32巻第5号の学会誌からはオンラインジャーナルへ変更し、経費を削減して、より活発な学会活動を行って参りました。本学会の発展は、歴代の理事長、理事、会長の先生方のご努力の賜物であります。このように大きくなった学会の理事長を務める機会をいただき、その責任と使命の重さを感じております。
 本学会が設立された趣旨には、「病院感染は中心的課題の一つであるが、環境変化に起因するすべての感染症を対象とする」としたことを聞いております。2011年の東日本大震災の後には、「避難所における感染対策マニュアル」を公開しました。このような学会の理念があったからこそ、地震、津波や豪雨災害などの自然環境の変化がもたらす感染症、避難所における集団生活における感染症などにも対応できたものと思います。本学会は医療現場における感染制御や予防、地域社会における感染症の蔓延防止にも、これまで大きな貢献を果たし、さまざまな学術活動を行って参りました。前理事長の賀来満夫先生の東北感染ネットワークの活動が感染防止対策加算に繋がったことは、学会にも追い風となっています。今後、学会としても、地域のネットワークの活動を支援することに力を入れていきたいと考えております。
 2020年には、オリンピック・パラリンピックが東京で開催され、海外からの多くの人々との交流によりもたらされる感染症が懸念されます。熱帯・亜熱帯地域でのマラリア、デング熱、西アフリカでのエボラ出血熱、中東における中東呼吸器症候群など、さまざまな新興・再興感染症が、“グローバル化”する危険性を秘めており、地域で感染症が蔓延し、大きな影響を引き起こす可能性があることなど、危機管理が必要になる疾患であります。本学会としても、このような新興・再興感染症に対しても、対応できる準備が必要と考えております。
 医療機関においては、高度急性期病院、急性期病院、回復期病院、 慢性期病院という医療機能の分化が進んでいますが、それぞれの病院でその病院に適した感染対策は必要です。さらに多くの医療従事者の本学会への参加が望まれるところです。そのためにも、本学会は、専門家集団として医療関連感染及び環境感染に関する研究の進歩・発展・普及、感染制御の質を向上させるべく、教育・実践の普及を図ることが必要です。若い世代を育成し、活躍できる学会を目指したいと思います。
 会員の皆様におかれましては、今後も益々の活発なご活動を続けて頂き、本学会へのご支援、ご協力をお願い申し上げます。

2019年4月1日

一般社団法人 日本環境感染学会
Japanese Society for Infection Prevention and Control
理事長 吉田 正樹

Source: 日本環境感染学会
理事長挨拶

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