公益財団法人医療機器センター附属医療機器産業研究所 2023年度 調査研究助成について

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1. 助成の趣旨

医療機器のアイディアが生まれてから製品化され、一般診療として用いられるまでは数多くのプロセスを経ます。まずはニーズに基づく研究開発が始まり、非臨床試験、治験を含む臨床評価が産学連携の形で進められます。そして、医薬品医療機器等法による届出・認証・承認制度(市販前規制)があり、技術料・特定保険医療材料といった保険適用上のプロセスもあります。市販後には適切な情報提供、不具合報告や回収等、様々な安全確保も必要となります。 その間、知財に関する検討、事業計画・市場性の検討・評価がなされます。
このような様々なプロセスが連なり、医療機器が市場に提供されていきます。そのため、産学官臨の多種多様なステークホルダーが医療機器産業を構成しています。
このような医療機器の研究開発のあり方や医療機器産業界のあり方を念頭に、医療機器産業を取り巻く環境、短期的あるいは中長期的な課題について分析検討し、提言につながり得る社会科学系研究を幅広く募集します。
当財団及び医療機器産業研究所(以下、医療機器産業研究所)は、本調査研究助成の公募を通して、医療機器のイノベーション促進や医療機器産業を研究対象とする社会科学系研究者の育成を目指しています。
当該事業で目指している育成の方向性:
・ 社会科学の視点を持てる、医療機器に携わる研究者・医療従事者の育成
・ 医療技術を理解できる、社会科学系研究者の育成

2. 助成のテーマ

医療機器のイノベーション促進や医療機器産業界の振興・発展に寄与する経済学、経営学、法学、レギュラトリーサイエンス、医療経済評価、歴史学、政治学等の幅広い社会科学系研究テーマ※を幅広く募集します。調査や分析、実証研究、ケーススタディ等を元に一般化した議論をするような研究を想定しています。既成の概念にとらわれない、新しい発想に基づくテーマについても歓迎します。
※医療機器の研究開発・試作、実験、臨床研究等は対象ではありません。
次に示すキーワードに関連するテーマについては、優先的に採択を検討します。
・ ナショナルデータベース(NDB)、DPCデータ
・ 経済的アウトカム、イノベーションの評価、バリューベースドヘルスケア、テクノロジーアセスメント
・ レギュラトリーサイエンス、海外規制動向
・ プログラム医療機器、ヘルスソフトウェア
・ 市場予測とキードライバー、企業のパフォーマンス分析、アライアンス分析
・ マクロシミュレーションモデル、生産波及効果や雇用誘発効果
・ 権利関係・契約形態・関連制度(産学連携)
※ 優れた研究テーマであれば、上記にかかわらず採択します。
これまでに採択された研究テーマについては、採択テーマ一覧のページをご覧下さい。
https://www.jaame.or.jp/mdsi/activity/grant_list.html

3. 応募対象者

大学・国立研究開発法人等の研究機関に所属する研究者、大学院生、学部学生の方が対象です。個人を基本としますが、個人では研究の遂行が難しい場合(例えば、複数の学術領域をカバーする場合や海外との比較を行うような場合、膨大な量の調査を行う場合など)は、主たる研究者を中心とする少人数のグループでの申請も可能です。申請者の国籍は問いませんが、下記に示す報告書を作成するために日本語による会話および読み書きの十分な能力を有することが条件となります。また助成金の取扱上、日本国内に居住している方を対象とします。
なお、若手研究者の方の積極的応募を期待します。学部・修士課程の学生の方が応募する場合は、責任を持って研究指導して頂ける方との連名でグループとして申請して下さい。また研究終了時に学生等の立場が保証されていることが必要です。例えば学部卒業後の大学院への進学や修士・博士課程修了後にアカデミックポジションへの就職や研究生等のポジションが保証されていない場合は、卒業・修了までに完成する研究計画として下さい。企業等からの給与所得を得ている、いわゆる「社会人学生」については事前にご相談下さい。

4. 助成金額:

50万円(税込) を基準とします。当該金額には直接経費のみで間接経費を含みません。所属機関にて間接経費が必要な場合には直接経費の30%を上限として計上できることとします。

5. 助成金使途

・ 対象となるもの:応募テーマに関する研究に係る費用。備品費、消耗品費、通信費、旅費、宿泊費、学会参加費、コピー代、等。研究遂行上必須となる設備等の一時的な賃借料(スーパーコンピュータやクラウドコンピュータの使用料、レンタカー代、データベース使用料等)。聞き取り調査における謝礼金。
・ 対象とならないもの: 申請者・申請グループの人件費、研究室の賃借料や水光熱費、机・ロッカーといった什器類等、飲食費(学会参加費等に含まれるものを除く)。その他、応募テーマに関する研究に直接関係しない費用。
支出基準は基本的に所属機関のルールに従います。また、全額が調査研究助成となり、いわゆる間接経費・一般管理費・事務処理費等は含みませんのでご留意下さい。研究内容の全て、あるいは一部の再委託はできません。

6. 助成期間:

決定後、3か月~1年間 (研究計画に応じて、この範囲で自由に設定して頂けます。)
※研究の内容によっては、事前協議の上、弾力的に対応することもあります。

7. 応募方法

下記書類を作成し、メールの添付ファイルあるいは郵便で、末尾の連絡先に提出して下さい。
メール添付の場合は、Microsoft Word / Excelあるいはpdf形式のファイルとし、CV-form(○○).pdf、research-plan(○○).docxというように括弧内の○○に申請者名を入れて下さい。添付ファイルのサイズは合計10MB以下にして下さい。メールの件名は「調査研究助成応募書類」として下さい。郵送の場合は「調査研究助成応募書類」と朱書きして下さい。どちらの場合も応募書類を紙に印刷して選考を行いますので、文字のサイズには留意して下さい。
(1) 履歴書・研究概要書 1部(A4サイズ、2ページ、指定書式あり) 直接入力可能なpdfファイルとなっています。1ページ目が履歴書、2ページ目が研究概要書となっています。グループ・連名での申請の場合、履歴書は全員分、研究概要書は1部のみ提出して下さい。
(2) 研究計画書 1部(A4サイズ、8ページ以内、サンプル書式あり) 研究全体の計画や、調査手順・方法、タイムスケジュール、医療機器産業にどのように寄与できるかを記載して下さい。また研究終了時に作成する報告書の概要(章立て、各章に記載する内容の概略)も併せて記載して下さい(結果や考察については見込みで記載して下さい)。
(3) 研究費使用計画書1部(A4サイズ、1ページ、指定書式あり) 50万円の使途の予定(概要)を研究計画と対応する形で記載して下さい。見積書等の添付は不要です。
(4) 同意書(A4サイズ、1人あたり1ページ、必要な場合のみ、指定書式あり。) グループによる申請の場合、あるいは学部学生・修士課程大学院生が研究指導して頂ける方と連名で申請する場合、申請に参加する全ての方の同意書を作成して下さい。原本を郵送するか、スキャンしてpdfファイルとしてメールに添付して下さい。単独で応募される場合は必要ありません。
指定書式は https://www.jaame.or.jp/mdsi/activity/grant_application.html からダウンロードして下さい。

8. 選考時期および方法

2023 年度募集は下記の通りとなります。
募集期間(必着)       選考および採択結果通知    研究期間 (1 年間の例)
第 20 期  2023 年 7 月 1 日~ 7 月 31 日    2023 年 8 月中      2023 年 9 月~2024 年 8 月末
第 21 期 2 023 年 11 月 1 日~11 月 30 日     2023 年 12 月中     2024 年 1 月~2024 年 12 月末

昨年度までは、各期1件ずつ、1年あたり3件程度の採択としておりましたが、2023年度より各期2件ずつ、1年あたり6件程度の採択を予定しております。ただし、優れた申請がある場合は複数件の採択や、採択するに十分な内容の申請がない場合は採択を行わないこともあります。
選考のプロセスについては、医療機器産業研究所に一任して頂きます。外部委員で構成される選考委員会で応募書類を審査した上で、採択の可否を決定します。また、必要に応じて面談を行う場合もあります(遠隔地の方は電話・ビデオ会議等で置き換える場合もありますので事前にご相談下さい)。
選考結果は選考委員会開催後、申請者に直接お知らせします。採択された申請については、研究テーマ、採択者名と共に医療機器産業研究所のウェブサイトで公開します。
不採択の場合でも、選考の内容および不採択の理由については、公開できません。
(選考委員会委員)
慶應義塾大学経済学部 教授 川本明
順天堂大学大学院医学研究科臨床薬理学 教授 佐瀬一洋
国立循環器病研究センター 名誉所員 妙中義之 ※委員長
一般社団法人日本医療機器産業連合会 医療機器政策調査研究所 所長 久芳明

9. 採択後の流れと助成に対する成果物

選考委員会にて採択が決定した後に、所属機関と当財団との契約を締結し、所属機関に対して助成金を振り込みます。研究費の管理は所属機関による機関管理を基本とします。大学院生個人による申請の場合、所属機関との契約ができない場合や機関管理ができない場合がありますので、所属機関の担当部署に事前にご確認下さい。所属機関との契約や機関管理ができない場合でも、選考において不利益になることはありませんが、採択された場合、当財団において研究費の管理を行うため、採択後に研究開始までの時間が長くなったり、研究費を使用する際に若干の不便が生じたりする場合があります。
採択者には、申請したテーマに従って研究を実施頂き、研究期間終了時までにA4サイズで、40~80ページ程度(図表含む)で「リサーチペーパー※」として報告書をまとめて頂きます。具体的な報告書の形式・まとめ方については採択者と医療機器産業研究所の間で相談しながら、2人3脚で完成を目指します。採択者が希望する場合は、製本後のリサーチペーパーを、50冊を上限として贈呈します。
リサーチペーパーの著作権は当財団に帰属しますが、研究期間中や研究期間終了後に、リサーチペーパーに関連した内容での研究発表や論文投稿を妨げるものではなく、それに際して学会や出版社にリサーチペーパーにおける当該箇所の著作権譲渡を行う必要がある場合には、それを妨げるものでもありません。積極的な研究発表や論文投稿を期待します。また、発表に際しては可能な限り医療機器産業研究所の助成による旨を記載して頂くと共に論文や要旨等の別刷り(コピーや電子ファイルも可)を後日提出して下さい。なお、優れた研究成果については医療機器産業研究所の主催する研究会等にて発表して頂く場合があります。

※リサーチペーパーは公益財団法人医療機器センター附属医療機器産業研究所の刊行物で、医療機器産業に関係する行政機関、医療機器関連の業界団体、医療機器産業研究所の研究協力制度に参加している会員企業に配布する出版物です。リサーチペーパーは一般向けに発行・流通する媒体ではありません。
※いわゆる「二重投稿」への該当については、研究発表先の学会や論文投稿先の編集者・出版社にご相談下さい。

Source: 日本生理学会
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