関西の「アドエア」の発音

投稿日:

喘息治療薬のアドエア。皆さんはどこにアクセントを置きますか?
突然ですが、関西と関東で、アドエア(一般名サルメテロール・フルチカゾン)の発音が違うことに気付きました。

効能・効果詳しく見る

  • 気管支喘息
  • 肺気腫の諸症状の緩解
  • 慢性気管支炎の諸症状の緩解
  • 慢性閉塞性肺疾患の諸症状の緩解

注意すべき副作用詳しく見る

嗄声口腔カンジダ症咽喉刺激感呼吸器カンジダ症口腔刺激感口腔違和感口腔疼痛口腔不快感咽喉違和感咽喉疼痛

用法・用量(主なもの)詳しく見る

  • 1.気管支喘息:1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして100μgを1日2回吸入投与する(アドエア100ディスカス1回1吸入、アドエア50エアゾール1回2吸入)
    • なお、症状に応じて次のいずれかの用法・用量に従い投与する
  • 1).1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして250μgを1日2回吸入投与(アドエア250ディスカス1回1吸入、アドエア125エアゾール1回2吸入)
  • 2).1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして500μgを1日2回吸入投与(アドエア500ディスカス1回1吸入、アドエア250エアゾール1回2吸入)
  • 2.慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解:1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして250μgを1日2回吸入投与する(アドエア250ディスカス1回1吸入、アドエア125エアゾール1回2吸入)

禁忌・原則禁忌

  • 病気や症状に応じた注意事項
    • 過敏症
    • 深在性真菌症
    • 有効な抗菌剤の存在しない感染症
    • 結核性疾患
    • 喘息の急激な悪化状態
    • 喘息発作重積状態

副作用

主な副作用

嗄声口腔カンジダ症咽喉刺激感呼吸器カンジダ症口腔刺激感口腔違和感口腔疼痛口腔不快感咽喉違和感咽喉疼痛咽喉不快感

重大な副作用

肺炎ショックアナフィラキシー呼吸困難気管支攣縮全身潮紅血管浮腫蕁麻疹重篤な血清カリウム値低下血清カリウム値低下作用が増強心リズムに及ぼす作用を増強

上記以外の副作用

口腔感染症呼吸器感染症筋痙攣頭痛浮腫過敏症発疹顔面浮腫口腔咽頭浮腫味覚異常心悸亢進血圧上昇不整脈心房細動上室性頻脈期外収縮振戦睡眠障害悪心腹痛食道カンジダ症関節痛高血糖むせ口内乾燥脈拍増加不安易刺激性攻撃性鼻炎胸痛皮膚挫傷皮下出血

注意事項

病気や症状に応じた注意事項

  • 禁止
    • 過敏症
    • 深在性真菌症
    • 有効な抗菌剤の存在しない感染症
  • 原則禁止
    • 結核性疾患
    • 喘息の急激な悪化状態
    • 喘息発作重積状態
  • 慎重投与
    • 感染症
    • 高血圧
    • 甲状腺機能亢進症
    • 心疾患
    • 糖尿病
  • 注意
    • 喘息の急激な悪化状態
    • 喘息発作重積状態
    • 気管支粘液の分泌が著しい
    • キサンチン誘導体併用
    • ステロイド剤併用
    • 利尿剤併用
    • 長期又は大量の全身性ステロイド療法
    • 副腎皮質機能抑制
    • 感染を伴う喘息症状の増悪
    • 感染を伴う肺疾患症状の増悪
    • 肺炎の発現リスクが高い
  • 投与に際する指示
    • 気管支粘液の分泌が著しい
    • 副腎皮質機能抑制
    • 感染を伴う喘息症状の増悪
    • 感染を伴う肺疾患症状の増悪

患者の属性に応じた注意事項

  • 相対禁止
    • 妊婦・産婦
    • 授乳婦
  • 慎重投与
    • 高齢者
  • 注意
    • 幼児・小児
  • 投与に際する指示
    • 幼児・小児

年齢や性別に応じた注意事項

  • 慎重投与
    • 高齢者(65歳~)

相互作用

薬剤との相互作用

薬剤名 影響
薬物代謝酵素<CYP3A4>を阻害する薬剤 副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状
リトナビル 副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状
リトナビル クッシング症候群
リトナビル 副腎皮質機能抑制
薬物代謝酵素<CYP3A4>を阻害する薬剤 サルメテロールの全身曝露量が増加しQT延長
リトナビル サルメテロールの全身曝露量が増加しQT延長
ケトコナゾール サルメテロールの全身曝露量が増加しQT延長
カテコールアミン製剤 不整脈
エピネフリン 不整脈
イソプロテレノール 不整脈
カテコールアミン製剤 心停止
エピネフリン 心停止
イソプロテレノール 心停止
キサンチン系薬剤 低カリウム血症による不整脈
副腎皮質ホルモン剤 低カリウム血症による不整脈
利尿剤 低カリウム血症による不整脈

処方理由

吸入ステロイド・β2刺激薬配合剤この薬をファーストチョイスする理由(2017年9月更新)もっと見る

  • ・フルタイドを最初に使うことが多く、その流れで患者さんも受け入れやすい。(50歳代診療所勤務医、総合診療科)
  • ・パウダー製剤のデバイスが使いやすい(シムビコートよりははるかに使いやすい)。エアゾール製剤もある。将来的にはレルベアに変えていくかも。(50歳代病院勤務医、一般内科)
  • ・使い慣れているため使用。1日1回で済むためレルベアに変更しようとも思っている。(50歳代開業医、一般内科)
  • ・使い慣れている点が大きい。後発の薬剤の方が効果が高い可能性があるが、高齢者が多いため、吸入デバイスを変更する際の抵抗感が強い。(50歳代病院勤務医、循環器内科)
  • ・患者のアドヒアランスが十分でない場合に、SMART療法は不適切。なんだかんだと慣れたアドエアを患者が望む。(40歳代病院勤務医、総合診療科)
  • ・2剤型あり、使いやすいので頻用しています。レルベアも良い薬で2番手です。(50歳代開業医、一般内科)

吸ステ・β2刺激薬合剤この薬をファーストチョイスする理由(2016年6月更新)もっと見る

  • ・そろそろレルベアに変えてもいいのでしょうけど、まだアドエアを使っています。シムビコートは高いので。(40歳代病院勤務医、呼吸器外科)
  • ・小児に対して処方していますが、比較的継続性はよいようです。(50歳代診療所勤務医、小児科)
  • ・エビデンスが豊富であるが、長期使用による嗄声が多いのが欠点。若年者なら1日1回のレルベア、女性ならシムビコートを選択することも多い。(50歳代病院勤務医、一般内科)
  • ・乳糖が含まれているので、吸入を実感できるのを好む患者さんが散見されるので。(40歳代病院勤務医、麻酔科)
  • ・抗LT剤でコントロールしきれない喘息に使うと良く効く印象がある。(40歳代病院勤務医、小児科)
  • ・デバイスが比較的使いやすい。適応症が多い。ドライパウダーなので、ある程度吸入流速が必要。(50歳代開業医、一般内科)

吸ステ・β2刺激薬合剤この薬をファーストチョイスする理由(2014年12月更新)もっと見る

  • ・初回開始から改善までも速く、長期管理でも安定した効果がある。同系統薬の中でも最もエビデンスが豊富である。短所としては喉頭症状が出やすい、粉末タイプは粒子が大きいので適切な吸入速度を要する、デバイスが大きいので携帯にやや不利など。(50歳代病院勤務医、一般内科)
  • ・デバイスが使いやすいようで レルベアに変更してもアドエア希望の患者が多いようです。(70歳以上開業医、一般内科)
  • ・デバイスが高齢者には一番簡単と思えるから。(50歳代病院勤務医、総合診療科)
  • ・レルベアが長期処方になる来月からは切り替えるかもしれない。(40歳代病院勤務医、呼吸器内科)
  • ・徐々にレルベアに移りつつありますが、今のところの主たる処方はアドエアです。非専門医が診療する場合、吸入薬は一番効果があり安全に処方できる薬剤と考えます。唯一といってよい副作用は、十分にうがいや口腔の清潔が保てない患者での口腔カンジダ症などの感染症ですが、多くは問題なく使える患者です。(50歳代病院勤務医、一般内科)

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添付文書

効果・効能(添付文書全文)

1.気管支喘息(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)。
2.慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
1.気管支喘息:
1).本剤は、気管支喘息の場合、吸入ステロイド剤と他の薬剤との併用による治療が必要であり、併用薬として長時間作動型吸入β2刺激剤の投与が適切と判断された患者に対して使用する。
2).患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に対し、次の注意を与える。本剤は発現した気管支喘息の発作を速やかに軽減する薬剤ではないので、急性の発作に対しては使用しない。急性の気管支喘息の発作に対しては、短時間作動型吸入β2刺激剤(例えば吸入用サルブタモール硫酸塩)等の他の適切な薬剤を使用する。
2.慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫):本剤は増悪時の急性期治療を目的として使用する薬剤ではない。

用法・用量(添付文書全文)

1.気管支喘息:1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして100μgを1日2回吸入投与する(アドエア100ディスカス1回1吸入、アドエア50エアゾール1回2吸入)。
なお、症状に応じて次のいずれかの用法・用量に従い投与する。
1).1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして250μgを1日2回吸入投与(アドエア250ディスカス1回1吸入、アドエア125エアゾール1回2吸入)。
2).1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして500μgを1日2回吸入投与(アドエア500ディスカス1回1吸入、アドエア250エアゾール1回2吸入)。
2.慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解:1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして250μgを1日2回吸入投与する(アドエア250ディスカス1回1吸入、アドエア125エアゾール1回2吸入)。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に対し、本剤の過度の使用により不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性があることを理解させ、1日2回を超えて投与しないよう注意を与える(サルメテロールキシナホ酸塩の気管支拡張作用は通常12時間持続するので、その間は次の投与を行わない)。
2.喘息患者において、症状の緩解がみられた場合は、治療上必要最小限の用量で本剤を投与し、必要に応じ吸入ステロイド剤への切り替えも考慮する。
3.小児の用法・用量が承認されている製剤は、ディスカス製剤ではアドエア100ディスカスのみ、エアゾール製剤ではアドエア50エアゾールのみである。
4.慢性閉塞性肺疾患に対して国内で承認されている製剤は、ディスカス製剤では本剤のみ、エアゾール製剤ではアドエア125エアゾールのみである。

副作用(添付文書全文)簡潔に見る

気管支喘息:国内臨床試験において、調査症例432例中、75例(17.4%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、嗄声30例(6.9%)、口腔カンジダ症16例(3.7%)であった(承認時)。海外臨床試験において、調査症例1,111例中、153例(13.8%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、嗄声25例(2.3%)、頭痛24例(2.2%)、口腔咽頭カンジダ症19例(1.7%)、咽喉刺激感18例(1.6%)であった(承認時)。
慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)(アドエア500ディスカスを使用した試験を含む(慢性閉塞性肺疾患に対して国内で承認されている製剤は、ディスカス製剤ではアドエア250ディスカスのみ、エアゾール製剤ではアドエア125エアゾールのみである)):国内臨床試験において、調査症例352例中、116例(33.0%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、嗄声51例(14.5%)、口腔カンジダ症32例(9.1%)、口腔及び咽喉刺激感18例(5.1%)であった(承認時)。海外臨床試験において、調査症例4,344例中、653例(15.0%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、口腔咽頭カンジダ症195例(4.5%)、口腔及び咽喉刺激感112例(2.6%)、嗄声101例(2.3%)であった(承認時)。
1.重大な副作用
1).ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、気管支攣縮、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)が現れることがある(頻度不明)ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行う。
2).血清カリウム値低下:サルメテロールを含むβ2刺激剤により「重篤な血清カリウム値低下」が報告されている(頻度不明)。また、キサンチン誘導体併用、ステロイド剤併用及び利尿剤併用によりβ2刺激剤による血清カリウム値低下作用が増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意する。更に、低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがあるので、このような場合には血清カリウム値をモニターすることが望ましい。
3).肺炎:慢性閉塞性肺疾患患者において本剤との関連性が否定できない肺炎が報告されている(3.3%、アドエア500ディスカスを使用した52週間の国内臨床試験における頻度)ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行う(慢性閉塞性肺疾患に対して国内で承認されている製剤は、ディスカス製剤ではアドエア250ディスカスのみ、エアゾール製剤ではアドエア125エアゾールのみである)。
2.その他の副作用:次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。
1).過敏症:(1%未満)発疹、蕁麻疹、顔面浮腫、口腔咽頭浮腫[このような場合には投与を中止する]。
2).口腔並びに呼吸器:(1%~10%未満)口腔カンジダ症及び呼吸器カンジダ症、嗄声、口腔刺激感(口腔違和感、口腔疼痛、口腔不快感等)及び咽喉刺激感(咽喉違和感、咽喉疼痛、咽喉不快感等)、口腔感染症並びに呼吸器感染症、(1%未満)味覚異常、(頻度不明)むせ、咳、口内乾燥、*気管支攣縮[*:短時間作動型気管支拡張剤を投与する等の適切な処置を行う。また、過敏症が疑われる場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行う]。
3).循環器:(1%未満)心悸亢進、血圧上昇、不整脈[心房細動、上室性頻脈及び期外収縮を含む]、(頻度不明)脈拍増加。
4).精神・神経系:(1%未満)頭痛、振戦、睡眠障害、(頻度不明)不安、易刺激性、攻撃性。
5).消化器:(1%未満)悪心、腹痛、食道カンジダ症。
6).その他:(1%~10%未満)筋痙攣、(1%未満)関節痛、浮腫、高血糖、(頻度不明)鼻炎、胸痛、皮膚挫傷(皮下出血等)。

使用上の注意(添付文書全文)簡潔に見る

(禁忌)
1.有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症の患者[ステロイドの作用により症状を増悪する恐れがある]。
2.本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。
(原則禁忌)
結核性疾患の患者[ステロイドの作用により症状を増悪する恐れがある]。
(慎重投与)
1.感染症の患者[ステロイドの作用により症状を増悪する恐れがある]。
2.甲状腺機能亢進症の患者[甲状腺ホルモンの分泌促進により症状を増悪する恐れがある]。
3.高血圧の患者[α及びβ1作用により血圧上昇を起こす恐れがある]。
4.心疾患の患者[β1作用により症状を増悪する恐れがある]。
5.糖尿病の患者[グリコーゲン分解作用及びステロイドの作用により症状を増悪する恐れがある]。
(重要な基本的注意)
1.本剤は既に起きている気管支喘息の発作又は慢性閉塞性肺疾患の増悪を速やかに軽減する薬剤ではないので、毎日規則正しく使用する。
2.本剤の投与開始前には、患者の喘息症状を比較的安定な状態にしておく。特に、喘息発作重積状態又は喘息の急激な悪化状態のときには原則として本剤は投与しない。
3.気管支粘液の分泌が著しい患者では、本剤の肺内での作用を確実にするため、本剤の投与開始に先立って、分泌がある程度減少するまで他剤を使用する。
4.過度に使用を続けた場合、サルメテロールのβ1作用により不整脈、場合により心停止を起こす恐れがあるので、使用が過度にならないよう注意する。
5.喘息患者において、本剤の投与期間中に発現する急性の発作に対しては、短時間作動型吸入β2刺激剤等の他の適切な薬剤を使用するよう患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に注意を与える。また、短時間作動型吸入β2刺激剤等の使用量が増加したり、あるいは効果が十分でなくなってきた場合には、喘息の管理が十分でないことが考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し医師の治療を求めるよう患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に注意を与える。薬剤の使用量が増加したりあるいは効果が十分でなくなってきた状態では患者の生命が脅かされる可能性があるので、患者の症状に応じてステロイド療法の強化(本剤のより高用量製剤への変更等)を考慮する。
6.喘息患者において、感染を伴う喘息症状の増悪及び慢性閉塞性肺疾患患者において、感染を伴う肺疾患症状の増悪がみられた場合には、ステロイド療法の強化と感染症の治療を考慮する。
7.本剤の投与を突然中止すると喘息の急激な悪化を起こすことがあるので、投与を中止する場合には患者の喘息症状を観察しながら徐々に減量していく。なお、慢性閉塞性肺疾患患者においても、投与中止により症状が悪化する恐れがあるので、観察を十分に行う。
8.全身性ステロイド剤と比較し可能性は低いが、吸入ステロイド剤の投与により全身性作用(クッシング症候群、クッシング様症状、副腎皮質機能抑制、小児成長遅延、骨密度低下、白内障、緑内障を含む)が発現する可能性があるので、吸入ステロイド剤の投与量は患者毎に喘息をコントロールできる最少用量に調節する。特に長期間、大量投与の場合には定期的に検査を行い、全身性作用が認められた場合には患者の喘息症状を観察しながら徐々に減量するなど適切な処置を行う。
9.全身性ステロイド剤の減量は本剤の投与開始後症状の安定をみて徐々に行う(減量にあたっては一般のステロイド剤の減量法に準ずる)。
10.長期又は大量の全身性ステロイド療法を受けている患者では副腎皮質機能不全が考えられるので、全身性ステロイド剤の減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払う(また、必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行う)。
11.喘息患者において本剤を含む吸入ステロイド剤投与後に、潜在していた基礎疾患であるChurg-Strauss症候群にみられる好酸球増多症がまれに現れることがあるが、この症状は通常、全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って発現しており、本剤との直接的な因果関係は確立されていない(本剤の投与期間中は、好酸球数の推移や、他のChurg-Strauss症候群症状(しびれ、発熱、関節痛、肺の浸潤等の血管炎症状等)に注意する)。
12.全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って、鼻炎発現・鼻炎増悪、湿疹発現・湿疹増悪、蕁麻疹発現・蕁麻疹増悪、眩暈発現・眩暈増悪、動悸発現・動悸増悪、倦怠感発現・倦怠感増悪、顔のほてり発現・顔のほてり増悪、結膜炎発現・結膜炎増悪等の症状が現れることがある(このような症状が現れた場合には適切な処置を行う)。
13.リトナビルとの併用により全身性ステロイド作用(クッシング症候群、副腎皮質機能抑制等)が発現したとの報告があるので、併用する場合には注意する。
14.本剤は患者の喘息症状に応じて最適な用量を選択する必要があるため、本剤の投与期間中は患者を定期的に診察する。
15.慢性閉塞性肺疾患患者を対象とした国内臨床試験及び海外臨床試験において肺炎が報告され、一般に肺炎の発現リスクが高いと考えられる患者へ本剤を投与する場合には注意する。また、肺炎と慢性閉塞性肺疾患の増悪は共通の臨床症状を呈することがあるので、慢性閉塞性肺疾患の増悪が疑われる場合には肺炎の可能性についても十分に考慮し、適切な処置を行う。
(相互作用)
フルチカゾンプロピオン酸エステル及びサルメテロールは、主として肝チトクロームP-450・3A4(CYP3A4)で代謝される。
併用注意:
1.CYP3A4阻害作用を有する薬剤:
1).CYP3A4阻害作用を有する薬剤(リトナビル等)[副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状が現れる可能性がある(CYP3A4による代謝が阻害されることにより、フルチカゾンプロピオン酸エステルの血中濃度が上昇する可能性がある)、特に、リトナビルとフルチカゾンプロピオン酸エステル製剤の併用により、クッシング症候群、副腎皮質機能抑制等が報告されているので、リトナビルとの併用は治療上の有益性がこれらの症状発現の危険性を上回ると判断される場合に限る(リトナビルは強いCYP3A4阻害作用を有する、リトナビルとフルチカゾンプロピオン酸エステル製剤を併用した臨床薬理試験において、血中フルチカゾンプロピオン酸エステル濃度の大幅な上昇、また血中コルチゾール値の著しい低下が認められている)]。
2).CYP3A4阻害作用を有する薬剤(リトナビル等)[サルメテロールの全身曝露量が増加しQT延長を起こす可能性があるので、ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)、リトナビル等の強いCYP3A4阻害作用を有する薬剤と併用する場合には、注意する(経口剤のケトコナゾールとサルメテロールを併用した臨床薬理試験において、サルメテロールのCmaxが1.4倍、AUCが15倍に上昇したとの報告がある)]。
2.カテコールアミン(アドレナリン、イソプレナリン等)[不整脈、場合によっては心停止を起こす恐れがあり、よって、発作時に頓用で用いる場合以外は過度に併用しないよう注意する(アドレナリン、イソプレナリン塩酸塩等のカテコールアミン併用により、アドレナリン作動性神経刺激の増大が起きる。そのため、不整脈を起こすことがある)]。
3.キサンチン誘導体[低カリウム血症による不整脈を起こす恐れがあるので、血清カリウム値のモニターを行う(キサンチン誘導体はアドレナリン作動性神経刺激を増大させるため、血清カリウム値の低下を増強することがある)]。
4.ステロイド剤、利尿剤[低カリウム血症による不整脈を起こす恐れがあるので、血清カリウム値のモニターを行う(ステロイド剤及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が増強することが考えられる)]。
(高齢者への投与)
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[β2刺激剤及び副腎皮質ステロイド剤は実験動物で催奇形作用が知られており、大量のサルメテロールキシナホ酸塩(経口:10mg/kg/日)及びフルチカゾンプロピオン酸エステル(皮下:100μg/kg/日)をラットに併用投与したときに催奇形作用(臍ヘルニア)及び胎仔発育抑制が報告されている]。
2.授乳中の婦人に対しては、本剤の使用経験が少ないので、患者に対する本剤の重要性を考慮した上で授乳の中止あるいは本剤の投与を中止する[サルメテロールキシナホ酸塩をラットに大量(1mg/kg)に静脈内投与、あるいはフルチカゾンプロピオン酸エステル10μg/kgをラットに皮下投与したときに乳汁中への移行が報告されている]。
(小児等への投与)
1.全身性ステロイド剤と比較し可能性は低いが、吸入ステロイド剤を特に長期間、大量に投与する場合に成長遅延を来す恐れがある。長期間投与する場合には吸入ステロイド剤の投与量は患者毎に喘息をコントロールできる最少用量に調節することとし、身長等の経過の観察を十分行う。また使用にあたっては、使用法を正しく指導する。なお、小児等に対しては国内での24週間を超える使用経験はない。
2.低出生体重児、新生児、乳児又は4歳以下の幼児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
(過量投与)
1.サルメテロールの過量投与(用法・用量を超える量)により頻脈、不整脈、振戦、頭痛及び筋痙攣等、β刺激剤の薬理学的作用による症状が増悪する可能性があり、また、重篤な症状として、低カリウム血症、高血糖、心室性不整脈あるいは心停止等が発現する可能性があるので、このような場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行う。過量投与時の本剤の解毒剤は心臓選択性β遮断剤であるが、このような薬剤の使用により気管支攣縮が発現する可能性があるため、使用にあたっては十分に注意する。
2.フルチカゾンプロピオン酸エステルの過量投与(通常の用法・用量を超える量等)により副腎皮質機能抑制等の全身性作用がみられることがある。本剤を過量かつ長期間吸入した小児において、低血糖、及びそれに伴う意識低下、痙攣を主な所見とする急性副腎皮質機能不全の発現が報告されている。副腎皮質機能抑制されている患者においては、外傷、手術、感染、本剤の急速な減量時等に急性副腎皮質機能不全が発現する可能性があるので、過量投与後に本剤を減量する際は、患者の管理を十分に行いながら徐々に行う。
(適用上の注意)
1.本剤は口腔内への吸入投与にのみ使用する(内服しても効果はみられない)。
2.吸入後:本剤吸入後に、うがいを実施するよう患者を指導する(口腔内カンジダ症又は嗄声の予防のため)、但し、うがいが困難な患者には、うがいではなく、口腔内をすすぐよう指導する。
(その他の注意)
1.本剤の有効成分の1つであるサルメテロールについて米国で実施された喘息患者を対象とした28週間のプラセボ対照多施設共同試験において、主要評価項目である呼吸器に関連する死亡と生命を脅かす事象の総数は、患者集団全体ではサルメテロール(エアゾール剤)群とプラセボ群の間に有意差は認められなかったものの、アフリカ系米国人の患者集団では、サルメテロール群に有意に多かった。また、副次評価項目の1つである喘息に関連する死亡数は、サルメテロール群に有意に多かった。なお、吸入ステロイド剤を併用していた患者集団では、主要及び副次評価項目のいずれにおいてもサルメテロール群とプラセボ群の間に有意差は認められなかった。
2.慢性閉塞性肺疾患患者におけるアドエア250ディスカス投与時の本剤との関連性が否定された症例も含めた肺炎の発現率は4~12週間投与の国内臨床試験で2.6%、8~52週間投与の海外臨床試験で3.2%であり、そのうち本剤との関連性が否定できない症例はそれぞれ0%及び0.1%未満であった。アドエア500ディスカス投与時の本剤との関連性が否定された症例も含めた肺炎の発現率は52週間投与の国内臨床試験で15.6%、13~156週間投与の海外臨床試験で9.4%であり、そのうち本剤との関連性が否定できない症例はそれぞれ3.3%及び0.1%未満であった。156週間投与の海外臨床試験では、プラセボ投与群(7%)及びサルメテロール50μg投与群(9%)に比べてアドエア500ディスカス投与群(13%)で、肺炎(本剤との関連性が否定された症例も含む)の発現率が高かった(慢性閉塞性肺疾患に対して国内で承認されている製剤は、ディスカス製剤ではアドエア250ディスカスのみ、エアゾール製剤ではアドエア125エアゾールのみである)。なお、国内外臨床試験において、慢性閉塞性肺疾患の重症度が最重症の患者、男性、高齢者、Body Mass Indexの低い患者で肺炎の発現頻度が高い傾向が示されている。
(取扱い上の注意)
1.患者には使用説明書を渡し、使用方法を指導する。
2.本剤は防湿のためアルミ包装されているので、本剤の交付時に、使用開始直前にアルミ包装を開封するよう指導する。

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